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退職後の顧客名簿を流用【訴訟前解決・労働問題】

2018年06月13日(水)

事案

半年前に独立した従業員が、どうやら、お店の顧客名簿を利用し、営業しているというご相談を受けました。まだ、独立したのは、20代の若い方ということです。

証拠はあるか

弁護士的には、どうしても、その方が、「会社の名簿を利用している証拠」があるのか、ということを考えてしまいます。また、顧客名簿の利用といっても、もともと会社で扱っていた案件を横取りした・・・といった悪質性の高いものではなく、あくまで「新規に開業しました。何かあれば、よろしくお願いします。」ぐらいの開業の挨拶・広告を売っているような形だということです。正直、法的に「強制力」をもって、どうこうするというのは難しい案件だと感じました。

事実上の釘差し

私のほうから、上記のご説明をしたところ、相談者の経営者の方もそれは分かっていただいているようで、あくまで過剰にならないように、またできる限り防止したいという事実上釘差したいということでした。

このようなご意向であれば、私は、「顧問弁護士」として、「弁護士名義」での内容証明郵便を送ることを提案し、こういうものは、スピードが勝負とお話を聞いた後3日以内には内容証明郵便を送付しました。

その後の経過

相手の会社の内部的なことは完全に把握できませんが、ご相談の経営者の方からお話を聞くと、少なくとも、表立って過剰な行動は慎み、釘差しはうまくいったのではないか、ということでした。機密情報持ち出しや、顧客名簿の盗用というのは、法的対処の難しい問題ですが、少なくとも、表面上は釘をさすことができたのであればお力添えでき本当に良かったと思います。
その後は、今回のような事件の再犯を防ぐために、退職時に「顧客名簿の流用」や、「競業関係」の書類をしっかりと作っておかなければならない、ということで、今後の予防法務へと力を入れていくこととなりました。

弁護士のコメント

今回のように、実際は、訴訟するのが難しいケースであっても、弁護士名義の内容証明郵便というのは、実際上の交渉や、相手の行為を止めるのに効果をみせることが多いです。一般の方の「訴える!」というのと、弁護士の「訴えます」というのでは、やはり、訴訟に移行する可能性が全然違いますから。実際、訴訟は時間がかかり、訴額が小さくなると不採算になるので、内容証明郵便で釘を刺し、交渉で終結する事件というのは、かなり多いといえます。

(弁護士 山村暢彦)

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