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株主だからって、過剰な要求〜会社の機密情報を守った戦い〜【不動産会社・事業承継・会社コンプライアンス】

2018年05月28日(月)

事案

5年ほど前に、先代から今の社長へと切り替わった会社でした。役員も親戚が並ぶような同族会社です。やはり、家族経営というのは、うまくいっているときは良いのですが、感情面などこじれると、根が深い対立が生じます。

今回の案件は、親戚の株主から、「今の社長の経営方針が信じられない」「経営資料を株主に開示しろ!」という要求がトラブルの出発点でした。

顧問弁護士が付いているのも、相手も分かっているので、最初から株主側も弁護士をつけての交渉から開始しました。

株主の開示請求権

今回、会社側としては、しんどい部分もありました。3%以上の株主は、計算書類や会計帳簿など、会社の経営情報を開示して会社の経営状態を把握するのは、株主の権利として認められています。相手の主張が、こういう法律上認められた権利だけですと、それは応じるしかなかったのですが、相手の主張は、この権利に乗じて、「法律で認められていない」「会社の機密情報」の開示も要求する内容でした。

私としては、相手の主張を吟味し、本当に開示しないといけない資料かどうかは正確に検証しました。その上で、法律上相手の要求が認められそうなところは、交渉で一部提出するなどで、うまくまとめるのが良いのではとアドバイスしました。

裁判開始・実質勝訴で終結

しかし、相手は、全く聞く耳もたず、法律上認められない会社の機密情報の開示に相手は固執していました。相手に弁護士も付いていたのですが、過剰な請求は続き、結局裁判所で決着をつけることになりました。

ただ、裁判所での手続は、事前に詳細な検討を行い対応していたこともあり、こちらの目論見からほとんど外れることなく、裁判官にこちらの主張も認めてもらいました。どうしても開示しなければいけない資料については、開示する方針を取りましたが、相手の過剰な主張は全部防ぎぎきったような形です。裁判官も、事前にどういう判決を出すか、心象を開示してくれ、こちらの有利は揺るぎませんでした。

結局、判決を書いても、こちらの主張が通るということで、相手の弁護士から手続の取り下げが行われました。
(*)実務的に、結論が見えている場合、訴訟を取り下げ、手続を省略するような運用もあります。

弁護士のコメント

初期対応を正確にできたことが、非常に功を奏した事案といえます。社長が感情的になって、開示すべき書類も開示していないと、それを理由に株主総会で攻撃されていた可能性が高いです。もっとも、必要な部分以外は、すべて開示せずに守ることができたので、日々コンプライアンスを心掛け予防法務を徹底していたこと、トラブルが生じた初期の段階で顧問弁護士として関与できたことが結論を分けた案件と言えます。

(弁護士 山村暢彦)

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