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その契約大丈夫ですか?個人間での中古マンション購入のトラブル!

2018年08月01日(水)

友人からマンションを購入したけれども未払い組合費がある

個人間での不動産売買はトラブルに発展するケースがあります。今回はそんな事例について紹介いたします。

モデルケース
甲は友人乙が居住していたマンションを安く譲ってもらえるということで、不動産会社を介さず売主乙のマンションの一室を600万円で購入しました。

しかし、その後マンション管理組合の理事長より友人乙のマンション管理費の滞納が200万円分あること、長期大修繕の各戸の負担金80万円も未払いであることを伝えられました。そして甲さんは、代わりに支払いをして欲しいとの通達を受けたのです。

この場合甲は友人乙が未払いであったマンション管理費と大規模修繕の各戸負担金を支払う必要はあるのでしょうか。

未払い管理費は誰が払うの?

理不尽なようですが、この場合甲さんはマンション管理費と大規模修繕の各戸負担金の合計280万円について支払いを拒絶できない可能性が高いと言えます。

マンションに関しては、区分所有法(マンション法)という法律が適用されます。この区分所有法の7条と8条には次のように定められています。

(先取特権)
第7条
区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債権者区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権についても同様とする。

前項の先取特権は、優先権の順位及び効力については、共益費用の先取特権とみなす。
民法(明治二十九年法律第八十九号)第319条 の規定は、第1項の先取特権に準用する。

(特定承継人の責任)
第8条
前条第1項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。

つまり、マンションのような集合住宅を区分所有するためには、他の区分所有者に対する債権、マンションの規約や組合の集会に基づく債権、管理者への債権について支払いについては優先して弁済してもらう先取特権が認められていること、これについては特定承継人である甲にも主張できるということが書かれています。

※特定承継人とは、他人から個別の権利を承継する人のことです。例えば本モデルケースのように不動産売買によって所有権を取得する乙がこれに該当します。

マンションの大修繕費用も未払い?

そもそもマンションの大規模修繕とは、マンションを劣化から守り快適にマンションに住み続けられるようにするための工事を大規模修繕費と言います。通常は12年に1回行われることが想定されており4ヵ月以上の工期となることもあります。

大規模修繕費はマンション住人からの積立金で賄われますが、昨今大規模修繕費の未払いが増加している傾向にあります。このような未払いが、マンション内で慢性的に発生することで、工事の施工時期や内容に悪影響を及ぼすことが懸念されます。

こんな時は誰に相談するべき?

組合への未払い債務のあるマンションを買い受けた甲さんはマンション側への支払いには対応しなければなりません。但し、この事実を知らされていなければ不測の損害を被っていることになります。

このようなケースでは、相手側がスムーズに支払いに応じてくれれば問題ありません。しかし、個人間ではトラブルに発展するケースも少なくありません。不動産法務に精通している弁護士への相談が早期解決への第一歩と言えるでしょう。

弁護士のコメント

区分所有のマンションなどを購入する場合には、上記のようなトラブルは頻発します。実際にあった相談でも、管理組合が、マンション開発業者に訴訟を提起しており、その辺りの権利関係が複雑な物件などもありました。
このような場合、①買主が状況を理解して購入することはもとより、その物件を仲介する②不動産会社も、しっかりと権利関係を説明する義務を負いますので、注意が必要です。
区分所有による権利義務関係は複雑なことも多いので、良く分からなければ、一度、専門家に相談しておくと良いと思います。

【執筆 松本和博 (宅地建物取引士試験合格)】
【監修 弁護士 山村暢彦】

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