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事故物件Q&A

事故物件Q&A

 

  1.  今回、「事故物件」を扱うことになりました。
      「事故物件」って、どんなことに気を付ける必要がありますか??

  2.  マンションの売買なんですけど、ベランダの飛び降りも「事故物件」になるんですか?

  3.  以前住んでいた方が、自殺を図ったけれども、病院に運ばれてお亡くなりになったと聞いています。 
      お亡くなりになったのは、病院ですから、これって「事故物件」に当たらないですよね?

  4.  何年経てば、「事故物件」でなくなるのですか??

  5.  事件のあった建物は、解体しているんですけど、それでも、「事故物件」なんですか?

  6.  「事故物件」であることが、売買した後に分かったんですけど、
      これだと、責任は発生しないですよね?? 

Q.1 「事故物件」の注意点

  1.  今回、「事故物件」を扱うことになりました。
      「事故物件」って、どんなことに気を付ける必要がありますか??

  【不動産弁護士の回答】

  過去に自殺、殺人などの事件・事故の現場となった土地建物を「事故物件」と言います。

 病死は、基本的に含まれないと考えて良いですが、最近多い独居老人の孤独死など、

 死後放置されている期間が長いなどの特殊な事情が加われれば「事故物件」と考える必要もでてきます。

 売買前に、売主、不動産会社が「事故物件」であることを知っているなら、
 買主にしっかりと説明しないといけません。
 「事故物件」の説明をしないと、不法行為責任を追及されてしまいます。

 また、「事故物件」であることは、法的に「心理的瑕疵」があると評価され、
 瑕疵担保責任における「瑕疵」と評価される場合があります。

 なので、「事故物件」である場合には、売買契約前に、
 ・「事故物件」でありながら、購入意思があるのかどうか、
 ・「事故物件」であることを踏まえて、物件価格を決めたかどうか、
 この辺りをよく話して、また、書面に残しておくとよいでしょう。

Q.2 どこまでが「事故物件」?

  2.  マンションの売買なんですけど、ベランダの飛び降りも「事故物件」になるんですか?

  【不動産弁護士の回答】

  確かに、区分所有のマンションの売買のような売買の場合には、売買の対象になっているのは、

マンションの1室で、ベランダなどは共用部分として売買の対象となっていない・・・と考えたいお気持ちもわかりますが、、、ベランダでの事件も「事故物件」(心理的瑕疵に当たる)と考えられています。

  収益物件(賃貸マンション)の売買であれば、屋上からの飛び降りも、「事故物件」になるという裁判例もあります。

 

  どこまでの範囲の事件・事故が、「事故物件」(心理的瑕疵)の範囲になってくるのかは、場所的・空間的な距離間に加えて、どのような目的での物件購入なのか、どの程度の期間経過しているかなどによっても変わってくるので、位置関係だけでは、簡単に判断できないところです。

Q.3 亡くなったのが病院なら大丈夫?

  3.  以前住んでいた方が、自殺を図ったけれども、病院に運ばれてお亡くなりになったと聞いています。 
      お亡くなりになったのは、病院ですから、これって「事故物件」に当たらないですよね?

  【不動産弁護士の回答】

  建物内で自殺を図って病院に搬送され、搬送された病院で4日後に死亡したケースで、「事故物件」(心理的瑕疵)を認定している裁判例があります。

  この裁判例では、亡くなった場所だけでなく、「自殺を図った」事件現場がどこかというところを重視しています。

Q.4 何年経てば大丈夫ですか??

 4.  何年経てば、「事故物件」でなくなるのですか??

  【不動産弁護士の回答】
  このご質問も多いのですが、単純に年数だけで判断できない、というのが正確な回答です。

  あくまで傾向ということでいえば、
  ・5年未満の場合は、「事故物件」(心理的瑕疵)と判断されることが多い
  ・5年~10年の場合は、事故・事件の状況、周囲への影響など、個別判断でどちらもあり得る
  ・10年を超えてくると、「事故物件」(心理的瑕疵)が争われることが減ってはくるが、、、
  ・殺人事件関係など、10年を超えても「事故物件」(心理的瑕疵)と認定されたものもある

  年数が経過すれば、「事故物件」(心理的瑕疵)と判断されづらい傾向にはなってきますが、

  インパクトの多い事件であれば、長年経過しても、「事故物件」(心理的瑕疵)と判断されるものもあります。

  特殊なケースですが、50年前の殺人事件であっても、解除を認めた事例すらあります。

Q.5 建物解体と「事故物件」

5.  事件のあった建物は、解体しているんですけど、それでも、「事故物件」なんですか?


【不動産弁護士の回答】
  基本的には、「事故物件」(心理的瑕疵)でない方向につながっていきますが、
  建物が解体されているから、「事故物件」(心理的瑕疵)でないとは断言できません。

  住宅の一部屋で首吊り自殺があったケースで、
  「嫌悪すべき心理的欠陥の対象は具体的な建物の中の一部の空間」であるから、
  解体によって、嫌悪の度合いが下がっているという裁判例があります。

  一方、建物が解体されているけれども、近隣住民の印象が強い、
  焼死事件後に雑草の生えた更地として放置していた案件では、
  心理的瑕疵があると判断された裁判例もあります。

  建物解体の裁判例をみていくと、とにかく、事故物件となった建物を解体して、
  心理的抵抗の少ない駐車場利用などを行い、事件の印象を小さくしていくのが重要だと感じます。

6.事故物件の法的責任

 6.  「事故物件」であることが、売買した後に分かったんですけど、
      これだと、責任は発生しないですよね??

【不動産弁護士の回答】
  法的責任が発生するものと、しないものがあります。

  ①「事故物件」(心理的瑕疵)の場合には、事件・事故が起こったことによって、
  建物自体の価値が下がってしまったという瑕疵担保責任の問題と、

  ②「事故物件」であることを知りながら、物件を売りたいために、
  わざと、「事故物件」の説明をしなかったという不法行為責任の、
  二つの問題が存在します。

  ①の場合には、「事故物件」であることを知っていたか知らなかったというのは、影響しないです。
  ②の場合には、知らなかった、知ることもできなかったということであれば不法行為責任が、発生しないことになります。

☆ポイント

⇒「事故物件」(心理的瑕疵)の判断は、①購入目的(住居・不動産投資)、②事件・事故の内容、③経過年数、④事件現場との位置関係、⑤利用態様の変化の有無(解体)などの総合判断によって、結論が変わってきますから、悩まれる案件は、一度専門家に相談してみるのが良いでしょう。

(文責: 弁護士  山村 暢彦)